[枯芒ノ窯]北村 風巳Fumi KITAMURA
STORY
温故知新
越中瀬戸焼の魅力について
400年以上の歴史があり、その間、ずっと使われ続けている材料が豊富にあります。富山の人間が富山の材料で作り、富山の薪で焼きあげる。
400年前と変わらない景色を眺めながら、昔の陶工と同じ材料で作る贅沢な焼物です。
製作時に心がけていることや、
作家としてのテーマを教えてください。
温故知新、古いものを勉強し自分が経験、学習した技術を駆使し自分なりの今の時代の「越中瀬戸焼」を作ることを信条としています。また、430年以上続く歴史の一端を担えることに誇りを持っています。
富山のこの立山の地の材料に拘り、粘土、釉薬の材料の灰、薪窯の薪、水、風によって織り成す「富山」の焼き物を、他の土地では出来ないデザインオンリーから土着的陶器に落とし込む事を心がけています。
原料の採取から使用できるようにするまでの灰汁抜き、水簸作業、釉薬の調合、土捏ね、成形、薪割り、窯詰め、窯焚き、窯出し、手入れを一人でしています。
同寸法のものを数作る事はプロなら誰でも出来ます、それよりも大きなひとくくりとしての作品作りをして1000年後に残る陶器(名前なんて残らなくてもよい)を作りたいです。
立山町での暮らしの魅力
カモシカや猿、狐、狸が普通に庭を通ります。
昔話の世界で人と動物の共存があり、雄大な立山連峰が広がります。
枯芒ノ窯からのメッセージ
デザインに特化したものは私よりも優れたデザイナーが行えばよいと思っております。
私にしか出来ないやり方と経験と技術で「とやまのやきもの」を作っていきたいと思っています。
一度、この地にお越しになり風を感じ、作品を手にとっていただいて何かを感じとってくだされば嬉しく思います。
また、この430年以上続く越中瀬戸焼の新たな1ページを一緒に作っていってくれる同じような志を持った作家も増えていってくれることを望みます。