千田 里実Satomi CHIDA
心に寄り添う作品を
越中瀬戸焼の魅力について
越中瀬戸の地では、土づくりから薪窯での焼成まで自分の手で行うことができます。 越中瀬戸焼の研修生になりたての頃、はじめて見せてもらった粘土層の感動や、燃え上がる炎に期待と不安を感じながら焚いた登り窯は忘れられません。
豊かな自然の中で、貴重な白土から赤や黄の陶土、釉薬の材料となる藁や草木にも恵まれ、様々な作品に作家たちが挑戦できるところが魅力だと思います。
製作時に心がけていることや、
作家としてのテーマを教えてください。
私は動物や植物のモチーフを多く制作しており、見た人や使う人が思わず「ふふっ」と笑ってしまうような、楽しい気持ちになる作品を目指して制作しています。この土地の土の味わいと、自分の思い描くイメージがお互いのバランスのいいところで、渋く可愛いく交わってくれたらいいなと思っています。
うつわでもオブジェでも、使う人にとって一緒に暮らす相棒のような、心に寄り添うことができる作品が作りたいです。
立山町での暮らしの魅力
立山での暮らしは春が一番好きです。雪で真っ白だった世界がどんどん緑に覆われていき、たくさんの花のにおいや生き物たちが動き始めてどんどんカラフルになっていきます。そして山菜やホタルイカなど美味しいものも増えてきます!
ちなみに、立山町へ引っ越した当初に思ったことは、「お水が美味しい!」でした。
みなさまへのメッセージ
越中瀬戸焼の研修生として10年を過ごし、2023年4月から越中瀬戸焼「かなくれ会」の作家のひとりとして活動をはじめることができました。
研修時には、作家の先輩方に土づくりや技法など様々なことを教えていただきました。自分の作風に悩んだり、好きなことを仕事にする楽しさや難しさに一喜一憂しながらも、作陶を続けられたのは、支えてくれた先輩方をはじめとする、関わってくださったすべての方と、作品を見て楽しんでくれたお客さま方のおかげです。
本当に感謝の限りです。
これからたくさんの楽しいことに挑戦し、みなさまに笑顔をお届けできるよう頑張ります!